用語説明その3  配当性向・総還元性向

株式投資基礎

どうもniraです。

※用語解説は、先の記事等で出した投資用語について、主観でなるべく分かりやすくをモットーに解説を行いたいという願望記事です。

用語解説第三弾の今回は「配当性向」および「総還元性向」について語っていきたいと思います。

配当と自社株買いという、株主にとってある意味もっとも気になるところであるワードについて、出来る限りお話出来ればと考えております。

■配当性向について

「配当性向」という言葉については、先の記事で軽く説明をさせていただきました。

おさらいすると、これは会社が稼いだ利益のうち、どれくらいの割合を株主に配当金として振り分けているかの割合を示したものになります。

配当性向50%という数字があったら、会社は稼いだ金額のうち半分を株主であるあなたに振り分けている、と言えます。

さて、じゃあ会社が稼いだ利益というのが具体的になんなのか、といった点を見ていきたいと思います。

基本的に、株主に支払われる配当、といのはその期間に稼いだ当期の利益か利益剰余金から支払われます。

※利益剰余金とは、会社が今まで溜め込んできた利益の残りを積み上げてきたストック、と考えてもらえば結構です。
(他に資本剰余金からの配当と言うのもあったりしますが、ぶっちゃけそこまで知っててもしょうがないケースなのでここでは気にしないでください)

会社が売上を計上した後色んな費用を引いていき、最後に税金まで引いた後に残った利益のことを「当期純利益」といいます。

この「当期純利益」の金額をもとに、会社は今回は配当をいくら出そうかなーと決めていくわけですが、ここで「じゃあ今回はこれくらいを株主にするぞ」と決めた金額を大元の「当期純利益」で割ったものが「配当性向」、つまり最終的に設けた利益のうち、どれくらいが株主への配当に振り分けられたか、が分かるわけです。

ちなみにもう一つ大事な事を言いますと、この「今回はいくら配当を出そうかなー」の部分で、実際に配当額をいくらにするか、の判断材料となるのが、前の記事でも説明した「フリーキャッシュフロー」の金額になります。

フリーキャッシュフローは覚えてますよね?

「会社が事業を行った上で獲得したお金のうち、最終的に自分で自由に使うことが出来るお金」の事です。

どうしてこのフリーキャッシュフローの金額で決まるのか?
そう、実際にお金をそこで払おうとして動かせる金額がまさにこのフリーCFだからです。
※…あ、仮に当期純利益が赤字になった場合でも、前に設けた利益の積み上げ分から配当を出す場合もあります。が、基本的にあまり好ましくないケースなので、それを頻発させている会社は当然投資対象から外れます。余談ですが。

話を戻しますとこの「配当性向
高ければいいってもんじゃないです。

配当性向が高すぎると、それこそ稼いだ額をほぼ全部投資家に回しまくってた結果、少し事業の勢いが落ち込むと、それまでの配当水準を維持出来ずに、すぐに減配したり無配化したりします。僕ら投資家がもっとも失望する事態です。

回さないのは投資家にとって歯がゆいけど、回しすぎるのも、後々のことを考えると大丈夫かな…となる。バランスが大事。そんな微妙な均衡が求められるのがこの「配当性向」です。

■総還元性向について

総還元性向」という言葉について、かなり端的に説明すると、

「配当金」と「自社株買い」の金額を足して「当期純利益」で割った数字

になります。

配当金に自社株買いという還元策も加えた数字が、今回稼いだ利益のうち何割を占めているか、を表したものとも言えます。

自社株買いですが、前記事の言葉を借りると、

市場で自分の会社の株式を自分で買うことで、株式が「市場で出回る量」が減少し、「レア化」することで、株式の価値自体が上昇し、結果的に株主に恩恵をもたらすような形になること。

となります…が。
自社株買いって説明難しいんですよね。正直めちゃくちゃ言ってんな、と自分でも思いますが、ホントに噛み砕くと大体こんな感じの説明になってしまうのをご容赦ください。(自分の実力不足も多分にあるけどね…)

いつか改めてこれについては説明のリベンジを試みたいです。

とこんな感じで用語についての大まかな説明は早々に終わらせていただきますw

そしてここまでくると、皆さんが気にするのは、

じゃあ結局還元性向とか総還元性向とやらはどれくらいの割合だったらいいんだよ?

という質問だと思います。最もです。

これは結論から言うと、年によって上下はあっても概ね平均して、

・配当性向60〜80%くらい

・総還元性向80%~100%

に収まってるくらいがいいです。

フリーキャッシュフローとのバランスをとりながら、ほどほどの割合のものを選ぶとすると上のような数字にどうしてもなってくると思います。

このくらいの(総)還元性向水準で、株主還元後のフリーキャッシュフローが黒字となってるような銘柄が理想ではあります。(調べても一発では中々出てこないので自分で頑張って調べて計算する必要がありますが)

さらにもう1つ。総還元性向はこれまでの説明の通り、配当自社株買いの2つの還元の数値の合計となります。

この配当自社株買い、どちらが多い方がいいの?という話ですが、結論としてはあまり気にしない方がいいです。

というのも、基本的には自社株買いをしてくれた方が投資家にとって得ではありますが(どちらも投資家に対する還元策ですが、配当と違って自社株買いを行うことで投資家に税金はかからないので)、配当と違って、自社株買いは行われる確度があまり高くないからです。

米国企業は「やはり配当をしっかり出し続けてナンボ」という文化があるようで、配当継続年数や増配についてはめちゃくちゃ神経質になってる節がありますが、自社株買いに関しては余裕がなければすぐにやめたりする為、してくれたら嬉しいですが、投資家としてはそもそもあまり期待は出来ない還元策といっても差し支えありません。

この辺を気をつけて、もう一回その企業がこれまでどんな風に株主に還元を行ってきたかを見てみるのもまた面白いかもしれません。

それでは今回はこのあたりで。

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