【米国株】配当の増配について

株式投資基礎

どうも、niraです。

僕は米国企業をメインに投資を行ってるんですが、米国株が日本企業の株と比べて本当に大きく異る点の一つが「配当」に関する政策・考え方の違いです。

配当をたくさん出すかどうか、というのはアメリカも日本もそんなに変わりません。配当をたくさん出して、配当で株主に還元しよう!という企業もあれば、配当金の額は抑えてその分会社が大きくなるための投資に注ぎ込み、株価を上げていくことで株式価値の向上という形で投資家に報いていこう!という企業もあるところは、アメリカも日本も似たようなものです。

一番重要なのが「出した配当の額に責任を持つか」ということです。

具体的には、アメリカ企業、一度自分が出した配当額を翌年下げることをめちゃくちゃ嫌がります。まるで減配しようものなら経営者失格とでも言わんばかりです。その徹底ぶりは凄まじく、多少業績が悪くても今まで良かった分の貯金を使って配当額の維持を図ろうとし、下手すると増配までしちゃいます。

そんな意識を持つ企業が多いので、本当に調子がどん底(業績のダメージが、立て直しにめちゃくちゃ時間がかかると企業が判断するレベル)の時以外は、リーマンショック級に市場が荒れようが、自分のところの株価がめちゃくちゃ下がろうが、せっせと増配を続ける企業がかなりの数にのぼります。

逆に日本の会社は一度出した配当の額を簡単に下げます。そもそも配当性向(稼いだ利益のうち何%を投資家への配当に当ててるか)もアメリカ企業と比べてだいぶ低い企業が多いんですが、配当額はマジで簡単に減配します。そしてちょっと調子が良くても中々上げようとしません。

ちょっと見てみましょう。下が連続増配年数ごとの日米の企業数比較です。

連続増配年数10年以上の企業数(2019)
 ・日本  :38社
 ・アメリカ:推定300社以上(多すぎて補足出来ないw)

連続増配年数20年以上の企業数(2019)
 ・日本  :4社(花王、SPK、三菱UFJリース、ユーエスエスかな?)
 ・アメリカ:推定150社以上(これも多すぎて…。ちなみに25年以上増配でも約140社あります)

連続増配年数30年以上の企業数(2019)
 ・日本  :1社(花王がちょうど30年でチャンピオン)
 ・アメリカ:91社(漏れあるかもしれません)

連続増配年数40年以上の企業数(2019)
 ・日本  :0社
 ・アメリカ:64社

連続増配年数50年以上の企業数(2019)
 ・アメリカ:28社(2019年の増配でアルトリアが仲間入りしたかな?)

※アメリカ株は漏れとかで誤差あるかもですがすみません。

日本と比べて米国株は常軌を逸した増配の仕方をしてるのが分かるかと思います。これの恩恵は受けないといかんでしょ。

ここで僕のポートフォリオの構成銘柄を見ていきます。S&P500ETFであるVOOは除きます。

・IBM ⇛ 24年連続増配

・ジョンソン・エンド・ジョンソン ⇛ 57年連続増配

・スリーエム ⇛ 61年連続増配

・ナショナル・グリッド ⇛ 6年連続増配(ポンド建て)

・ペプシコ ⇛ 47年連続増配

・P&G ⇛ 63年連続増配

・フィリップモリス ⇛ 11年連続増配(分社後。分社前のアルトリア時代を含めると50年連続増配

・AT&T ⇛ 35年連続増配

・VISA ⇛ 12年連続増配

・エクソンモービル ⇛ 37年連続増配

全10銘柄中、40年以上連続増配が5銘柄、30年~40年連続増配が2銘柄、20年~30年連続増配が1社、15年以下が2銘柄という形です。

セクター分散と配当利回りも含めて決めたため(特にナショナル・グリッド)、全てではないのですが、それでも基本的には増配をしっかり行っている銘柄に投資を行えているかと思います。

というか米国株に長期投資をしようと思うと、どうしてもこういった連続増配銘柄で固まらざるをえません。これらは非常に強固なビジネスモデルを持ち、優秀な業績を長期間上げてこられたからこその連続増配記録でもあるので、優良企業を見ていこうとすると必然的に連続増配銘柄に触れることになってきます。

もちろん、増配年数が全てではないのですが(特に)長期での投資を考える際には、避けては通れないネタになってくるのは間違いないと思います。

今回はこのへんでー。

コメント

  1. まりおねっと より:

    増配年数が長いことをやたらと良いことだと言われてるんですが、私はそう思わないんですよね。
    増配年数を伸ばすことが目的になっていて、本当はもっと増配できるのに、配当据え置きや減配ができない為、結果的に配当を伸ばし惜しみされているケースもあるはずだからです。

    例えば、同じ企業の配当推移がが

    ①50→55→60→65 より
    ②50→60→60→65 の方が株主還元は多い訳です。

    でも、連続増配年数を伸ばすことを優先すると、経営者は①の選択をする訳です。

    • nira nira より:

      >まりおねっと様
      コメントありがとうございます。

      おっしゃる通り、トータルで見ると挙げられた2つめの例の方がリターンが大きいのは間違いないと思います。
      もちろん増配年数に拘る事が経営者側のアピールである側面もあるんでしょう。

      ただ、投資家として一度増配が止まった銘柄と増配をし続けている銘柄を外から比べて、結果的に2つめの例のような銘柄を当て続ける自信は私は無いです。
      その銘柄の資本政策の真の意味を投資家が読むことが出来ない以上、過去から現在進行形で増配を続けているという事実を見て将来の前進にベットするのも一つの方法かな?という認識ですね。

      もちろんリターンを考えれば、増配率をしっかり見るのも重要だと思います。柔軟にバランス良く対応出来るようにこれから精進してきたい次第です。ありがとうございました。

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